褪色するタペスリー(「貴婦人と一角獣」その1)

今回の展示品「貴婦人と一角獣」は、6連作のタペスリーである。タテヨコ共に3メートルにもなる大作6点で、近付いてシゲシゲ見ようとすると、絵柄がよくわからないくらいだ。

ずーっと離れて見比べるうち気付いた。どのタペも、下部の1/6ほどが褪色している。上部とは明らかに境目がある。このタペスリーが公的に買い上げられた時は、劣化が激しく、ボロボロであったそうだから、修復して繊維を足したのだ、と想像できる。

普通に考えれば色あせた部分が古い。それなのに、そちらの面積の方が少ないとは、オカシイ。

会場係の女性に質問してみた。曰く、

・下部の褪色している方が、修復した新しい部分である。
・元は植物材料による染色糸が使われている。染材は、アカネ、藍、木犀草である。
・しかし修復時には、質の悪い化学染料で染められた為、そこが褪色したのである。

(この女性はとても若く、そんなにまともに答えてくれると期待していなかったので、ちょっと感激。さすが国立。)

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