行くべきか、行かざるべきかの中原淳一展

水戸の茨城県立近代美術館での「中原淳一展」は、今日までの開催だった。体調不良で予定がつぶれ、諦めかけていたが、今日だけポッカリ時間が出来た。これが天の声なら行くしかない。

10年以上前の東京展で、初めて原画を見た時の感動はないが、作品の量には圧倒される。細いペンの線で描いた女の腕と足許の美しさ、たっぷりとした布の表情と雑多なアイテムを眺めているうち、中原淳一の感性に飲まれそうになる。

ただ描いただけではない。服飾、髪型、靴、帽子、カバンや雑貨のデザインをイラストで紹介し、雑誌を出版し、ミュージカルを作り、と仕事の質と量が半端でない。

雑誌を作るって、メディアを握るって事なのダ。啓蒙活動なのダ、と今回見ていて気付いた。中原さんは、ご自身の美意識を世に広め、美しい世界を作りたかったのだ。

お洒落とは、周囲を不快にさせない、楽しい気分にさせる心配りである、とか何とか会場のビデオで紹介されていた。(斎藤ひとりさんが同様の話をしていたっけ)

軟派な少女雑誌のイラストレーターと思われがちだけれど、時代を作り、文化を作ろうとした、とても志の高い人だった。

才能とは、ただ絵が上手いとかデザインが洒落ているとかの小手先の事ではない。感性や技術の先にある、人間の理想の人生を提示する能力の事かも知れない。

物を作るって、製造して売るだけの経済活動ではない。実は精神的な影響を周囲に及ぼす。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック